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クラス ×イト
第4章 けツらク 【藍山栞1】
心の中のモヤモヤに気持ちが晴れずに、私は次にパソコンを開いていた。
そしてネットに接続し、いつものサイトへアクセスする。本で誤魔化し切れない時、そこが私の最後に行き着く場所。
そのサイトとは、小説の投稿サイト。誰でも自作の小説を書くことが可能で、またそれを自由に読むこともできた。
「……!」
だけどこの日も、私も目当ての小説に新たな更新はない――。軽い失望が、私を襲った。
「……」
仕方なく私は『連載中』のその小説のトップページから、『しおりから』ではなく『初めから』のアイコンをクリックする。
普段から幾多の文豪の作品を読む私にとって、その小説は明らかに未熟で文章も拙いもの。だけど私は、その作者の小説にだけ固執していた。
その切っ掛けは、半年前の話――。
ある時の教室で、私はクラスの男の子と不意に身体をぶつけてしまう。その拍子に、彼は持っていたノートを床に落とした。
それを拾った私は、何の気なしにそのノートを捲る。そして一目見て、それが小説を書いたものであることに気がつく。
見られたことが、恥ずかしかったのだろう。彼は直ぐに、ノートを私の手から奪っていた。
その彼が――乾栄太。それまで全く意識したことのない、単なるクラスメイトの一人。
「……」
その時の私は、何も言わずに。ノートの表紙に記された、珍妙な記号のようなものに目に留めていた。
『DOG―A』
私は程無く、それが彼のペンネームであると知る。
そしてネットに接続し、いつものサイトへアクセスする。本で誤魔化し切れない時、そこが私の最後に行き着く場所。
そのサイトとは、小説の投稿サイト。誰でも自作の小説を書くことが可能で、またそれを自由に読むこともできた。
「……!」
だけどこの日も、私も目当ての小説に新たな更新はない――。軽い失望が、私を襲った。
「……」
仕方なく私は『連載中』のその小説のトップページから、『しおりから』ではなく『初めから』のアイコンをクリックする。
普段から幾多の文豪の作品を読む私にとって、その小説は明らかに未熟で文章も拙いもの。だけど私は、その作者の小説にだけ固執していた。
その切っ掛けは、半年前の話――。
ある時の教室で、私はクラスの男の子と不意に身体をぶつけてしまう。その拍子に、彼は持っていたノートを床に落とした。
それを拾った私は、何の気なしにそのノートを捲る。そして一目見て、それが小説を書いたものであることに気がつく。
見られたことが、恥ずかしかったのだろう。彼は直ぐに、ノートを私の手から奪っていた。
その彼が――乾栄太。それまで全く意識したことのない、単なるクラスメイトの一人。
「……」
その時の私は、何も言わずに。ノートの表紙に記された、珍妙な記号のようなものに目に留めていた。
『DOG―A』
私は程無く、それが彼のペンネームであると知る。