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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
そうした時――。
どうしても目が止まるのは、教室の後方に陣取っているグループだった。それはこのクラスに於いて、いわゆる『イケてる男女』たちのユニット(集合体)。
彼らは――僕ら『D3』からしたら、最も遠い存在と言えるだろう。
その中でも象徴的な女子が一人。一番後ろの席に悠然と座り、その周囲には引力に魅かれたように、自然と仲間たちが屯していた。
くるくるっと巻かれている茶色い艶やかな髪を頻りに手で弄りながら、短いスカートからすらっと伸びた足を組んで座ると、手鏡に映る自分の姿を満足げに眺めている。
彼女の名は――赤緒礼華(あかお れいか)。
赤緒さんはいつだって、自信満々にそこに存在していた。このクラスで否応なく目立つことは、きっと彼女自身が誰よりも自覚している――そんな雰囲気だった。
「なんだよ、意外だな。よりによって、女帝かよ」
要二に、そう言われ――
「ま、まさか……違う違う!」
僕は慌てて首を振ると、それを全力で否定する。見ていたのは確かだけど、それは単に彼女が目に止まり易かったからであり、それ以外の理由は(たぶん)ない……。
要二が言った『女帝』とは、赤緒さんの別称。でもまあ、僕らの間で勝手にそう呼んでいるだけなんだけども。
赤緒礼華とは同じ教室に在籍しながらも、まるで別次元に生息しているかのような錯覚が生じる。そんな畏敬の念を込めて、僕らは何時しか彼女のことをそう呼ぶようになっていた。
まあ『女帝』の元ネタはと言えば、当然アニメ絡みなんだけども、ね。
どうしても目が止まるのは、教室の後方に陣取っているグループだった。それはこのクラスに於いて、いわゆる『イケてる男女』たちのユニット(集合体)。
彼らは――僕ら『D3』からしたら、最も遠い存在と言えるだろう。
その中でも象徴的な女子が一人。一番後ろの席に悠然と座り、その周囲には引力に魅かれたように、自然と仲間たちが屯していた。
くるくるっと巻かれている茶色い艶やかな髪を頻りに手で弄りながら、短いスカートからすらっと伸びた足を組んで座ると、手鏡に映る自分の姿を満足げに眺めている。
彼女の名は――赤緒礼華(あかお れいか)。
赤緒さんはいつだって、自信満々にそこに存在していた。このクラスで否応なく目立つことは、きっと彼女自身が誰よりも自覚している――そんな雰囲気だった。
「なんだよ、意外だな。よりによって、女帝かよ」
要二に、そう言われ――
「ま、まさか……違う違う!」
僕は慌てて首を振ると、それを全力で否定する。見ていたのは確かだけど、それは単に彼女が目に止まり易かったからであり、それ以外の理由は(たぶん)ない……。
要二が言った『女帝』とは、赤緒さんの別称。でもまあ、僕らの間で勝手にそう呼んでいるだけなんだけども。
赤緒礼華とは同じ教室に在籍しながらも、まるで別次元に生息しているかのような錯覚が生じる。そんな畏敬の念を込めて、僕らは何時しか彼女のことをそう呼ぶようになっていた。
まあ『女帝』の元ネタはと言えば、当然アニメ絡みなんだけども、ね。