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クラス ×イト
第2章 だメンず 【乾英太1】
「アニメとは違う意味で、住む世界が違ってるって感じ」
改めて赤緒さんを眺め、ポツリと口をついたのが僕の本音。
それを受けて、要二は言う。
「別にビビることないだろ。ちょっと派手にしてるだけで、モデルレベルってわけでもないぜ」
「ビビッてるとかじゃなく。いや、正直に言えば、そういうとこもあるけど」
「どっちだよ?」
「ハハ……とにかく、タイプじゃないって話。まあ向こうからしてみれば、僕らこそ眼中にないんだろうけどね……」
「そんな自虐ネタは聞いてねーだろ。だったら、誰がタイプなんだよ」
再び要二に、そう迫られ――
「そ、それは……」
次に僕の視線が向かった先は、窓際の席だった。
「……」
騒がしい教室の中にあって、彼女は一人ひっそりと文庫本を読んでいる。先程とは別の意味で、その一角だけ違う空間みたいで……。
藍山栞(あおやま しおり)――そのサラリとした黒髪の彼女を見ると、僕はふと考えてしまうんだ。
彼女は今、どんな本を読んでいるのかな? ――と。
僕だって元々、本を読むのが好きだったつもり。だけど、ラノベ以外の本を読むようになったのは、実は彼女がきっかけだったりするのかもしれない。
一緒に本の話でも、できたらいいのに――。
それは無意識の内。いつからだろう。僕は密かに、そんな風に思うようになっていた。
改めて赤緒さんを眺め、ポツリと口をついたのが僕の本音。
それを受けて、要二は言う。
「別にビビることないだろ。ちょっと派手にしてるだけで、モデルレベルってわけでもないぜ」
「ビビッてるとかじゃなく。いや、正直に言えば、そういうとこもあるけど」
「どっちだよ?」
「ハハ……とにかく、タイプじゃないって話。まあ向こうからしてみれば、僕らこそ眼中にないんだろうけどね……」
「そんな自虐ネタは聞いてねーだろ。だったら、誰がタイプなんだよ」
再び要二に、そう迫られ――
「そ、それは……」
次に僕の視線が向かった先は、窓際の席だった。
「……」
騒がしい教室の中にあって、彼女は一人ひっそりと文庫本を読んでいる。先程とは別の意味で、その一角だけ違う空間みたいで……。
藍山栞(あおやま しおり)――そのサラリとした黒髪の彼女を見ると、僕はふと考えてしまうんだ。
彼女は今、どんな本を読んでいるのかな? ――と。
僕だって元々、本を読むのが好きだったつもり。だけど、ラノベ以外の本を読むようになったのは、実は彼女がきっかけだったりするのかもしれない。
一緒に本の話でも、できたらいいのに――。
それは無意識の内。いつからだろう。僕は密かに、そんな風に思うようになっていた。