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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
色々あった気もするけど、僕自身は何も変わらない。そんな一日の終わり。
深夜零時過ぎ――眠ろうとして一度、ベッドに入っていた僕。だけどふと気にかかり、そこから起き出すと、机に向かってパソコンを開いた。
いつもの小説投稿サイト――。
「……」
僕の書いた小説の閲覧数は、まるで伸びていない。誰も読んでくれなかった。だけどそれは当然。ここ数日、僕は小説を書き進めてはいなかった。
数日前、三生と赤緒さんのショッキングな場面を目撃してる。それからどうも書くことに対して、身が入らないでいた。
あの時の赤緒さんは、あまりに圧倒的であり。そしてそれは、虚構ではなく現実(リアル)なのだ。それを前にした時に、僕はすっかり気が引けてしまっているみたい。
だけど書けない原因は、それだけではないのだろう。きっと僕は藍山さんのことを、前よりも明確に意識し始めていた。でも今日みたいに結局は、何も行動が起こせなくって……。
満たされない想いを小説に書くことが、何か逃げているようにさえ思えてしまう。否、きっとそうなのだった。
いくらこの小説が、僕から藍山さんへの気持ちを綴ったものだとはいえ、書きたいという衝動はもっと別のものであった筈、なのに……。
やっぱり、今日も書けないみたい。そう感じて、サイトを閉じようとした時。
「ん――?」
期せずして僕は、一通の新たなメッセージがあることに気がついた。
それは僕に時折、メッセージをくれる読者の人。当然、何処の誰かは知らないけど……。
『この小説の続き、私に読ませてください』
それでも短い言葉は、僕を昂揚させてくれた。
深夜零時過ぎ――眠ろうとして一度、ベッドに入っていた僕。だけどふと気にかかり、そこから起き出すと、机に向かってパソコンを開いた。
いつもの小説投稿サイト――。
「……」
僕の書いた小説の閲覧数は、まるで伸びていない。誰も読んでくれなかった。だけどそれは当然。ここ数日、僕は小説を書き進めてはいなかった。
数日前、三生と赤緒さんのショッキングな場面を目撃してる。それからどうも書くことに対して、身が入らないでいた。
あの時の赤緒さんは、あまりに圧倒的であり。そしてそれは、虚構ではなく現実(リアル)なのだ。それを前にした時に、僕はすっかり気が引けてしまっているみたい。
だけど書けない原因は、それだけではないのだろう。きっと僕は藍山さんのことを、前よりも明確に意識し始めていた。でも今日みたいに結局は、何も行動が起こせなくって……。
満たされない想いを小説に書くことが、何か逃げているようにさえ思えてしまう。否、きっとそうなのだった。
いくらこの小説が、僕から藍山さんへの気持ちを綴ったものだとはいえ、書きたいという衝動はもっと別のものであった筈、なのに……。
やっぱり、今日も書けないみたい。そう感じて、サイトを閉じようとした時。
「ん――?」
期せずして僕は、一通の新たなメッセージがあることに気がついた。
それは僕に時折、メッセージをくれる読者の人。当然、何処の誰かは知らないけど……。
『この小説の続き、私に読ませてください』
それでも短い言葉は、僕を昂揚させてくれた。