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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
一体、何だろ?
三生とは友達だけど、こんな風に三生の方から誘われたりするのは珍しいことだった。『D3』の三人で遊ぶ時もそう。大体は僕や要二が決めたことに、三生が付き合う感じになるのが通常。
ともかく放課後になると、僕は三生の席に向かう。
「それで、何処に行くの?」
「あ、うん……。何処って訳でも、ないんだけど」
「?」
そんな風に、はっきりしない三生と顔を合わせていると。
「じゃーな」
鞄を手にした要二がこっちをチラリと見て、立ち止まらずに行ってしまおうとしてる。一瞬迷ったけど、僕は思い切って要二を呼び止めていた。
「ねえ――要二」
「あ?」
「これから三生と行く処があるんだけど、要二も一緒に行こうよ」
いつまでも、気まずい想いをするのは嫌だ。それは、要二にしたって同じはず。これをきっかけにして、仲直りできればと僕なりに考えてのこと。
でも、要二は――
「悪りーけど、お前らと違ってヒマじゃねーからよ」
僕にじろっとした視線を向け言うと、そのまま教室から出て行ってしまった。
僕なりに歩み寄ったつもりなのに、それを無下にされ頭に血が昇ってゆく。
「なんなの、あの態度! 人がせっかく――それなのに」
僕は興奮気味に、思わずそんなことを口走ってる。
三生とは友達だけど、こんな風に三生の方から誘われたりするのは珍しいことだった。『D3』の三人で遊ぶ時もそう。大体は僕や要二が決めたことに、三生が付き合う感じになるのが通常。
ともかく放課後になると、僕は三生の席に向かう。
「それで、何処に行くの?」
「あ、うん……。何処って訳でも、ないんだけど」
「?」
そんな風に、はっきりしない三生と顔を合わせていると。
「じゃーな」
鞄を手にした要二がこっちをチラリと見て、立ち止まらずに行ってしまおうとしてる。一瞬迷ったけど、僕は思い切って要二を呼び止めていた。
「ねえ――要二」
「あ?」
「これから三生と行く処があるんだけど、要二も一緒に行こうよ」
いつまでも、気まずい想いをするのは嫌だ。それは、要二にしたって同じはず。これをきっかけにして、仲直りできればと僕なりに考えてのこと。
でも、要二は――
「悪りーけど、お前らと違ってヒマじゃねーからよ」
僕にじろっとした視線を向け言うと、そのまま教室から出て行ってしまった。
僕なりに歩み寄ったつもりなのに、それを無下にされ頭に血が昇ってゆく。
「なんなの、あの態度! 人がせっかく――それなのに」
僕は興奮気味に、思わずそんなことを口走ってる。