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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
「英太くん?」

 不思議そうにしている三生に、僕はこう同意を求めた。

「三生も、酷いと思ったでしょ?」

「そ、そうかな。きっと何か、用事があるんだよ」

「それなら、そう言えばいいんだ」

「元々ぶっきらぼうな処もあるからね。要二くんと、何かあったの?」

 三生にそう訊かれ――

「別に……そう……じゃないけど」

 僕は口籠る。喧嘩したことを話せば、その原因を聞かれる。たぶんそれを、避けたかったから……。

 するとここで、三生は少し意外なことを口にした。

「できれば今日は、要二くんがいない方がいいんだ」

「え、どうして?」

「それは――」

 言いかけた言葉を止めた三生は、何かを追うように視線を動かす。

 そして――

「――そろそろ行くから。僕に着いて来て」

 そう言うと、慌てて動き始めようとした。

「ねえ――だからさ。何をするのか、教えてよ」

「いいから!」

 珍しく強引なその態度を不思議に感じながら、僕は三生の後を追って教室を飛び出た。
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