この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
「英太くん?」
不思議そうにしている三生に、僕はこう同意を求めた。
「三生も、酷いと思ったでしょ?」
「そ、そうかな。きっと何か、用事があるんだよ」
「それなら、そう言えばいいんだ」
「元々ぶっきらぼうな処もあるからね。要二くんと、何かあったの?」
三生にそう訊かれ――
「別に……そう……じゃないけど」
僕は口籠る。喧嘩したことを話せば、その原因を聞かれる。たぶんそれを、避けたかったから……。
するとここで、三生は少し意外なことを口にした。
「できれば今日は、要二くんがいない方がいいんだ」
「え、どうして?」
「それは――」
言いかけた言葉を止めた三生は、何かを追うように視線を動かす。
そして――
「――そろそろ行くから。僕に着いて来て」
そう言うと、慌てて動き始めようとした。
「ねえ――だからさ。何をするのか、教えてよ」
「いいから!」
珍しく強引なその態度を不思議に感じながら、僕は三生の後を追って教室を飛び出た。
不思議そうにしている三生に、僕はこう同意を求めた。
「三生も、酷いと思ったでしょ?」
「そ、そうかな。きっと何か、用事があるんだよ」
「それなら、そう言えばいいんだ」
「元々ぶっきらぼうな処もあるからね。要二くんと、何かあったの?」
三生にそう訊かれ――
「別に……そう……じゃないけど」
僕は口籠る。喧嘩したことを話せば、その原因を聞かれる。たぶんそれを、避けたかったから……。
するとここで、三生は少し意外なことを口にした。
「できれば今日は、要二くんがいない方がいいんだ」
「え、どうして?」
「それは――」
言いかけた言葉を止めた三生は、何かを追うように視線を動かす。
そして――
「――そろそろ行くから。僕に着いて来て」
そう言うと、慌てて動き始めようとした。
「ねえ――だからさ。何をするのか、教えてよ」
「いいから!」
珍しく強引なその態度を不思議に感じながら、僕は三生の後を追って教室を飛び出た。