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クラス ×イト
第5章 ほころビ 【乾英太2】
「それで――三生は、どうするつもり?」

 僕がそう訊ねると――


「うん、今日はね――僕、告白してみようと思うんだ」


「……!?」

 サラリとそう言いのけた三生に、僕は思わず言葉を失ってしまう。

 とりあえず一旦、きっかけのとかの話は、何処かに置いておくことにしようか。

 それでも、あまりにも無謀なんじゃないかな。否、傍から見れば僕が藍山さんを好きなことだって、十分にその様に見られてしまうのだろうけど、それも認めた上で。

 三生は赤緒さんのことつけ回すくらいに、彼女に夢中であり。今、その顔つきを見ても、明らかに舞い上がってように思う。

 そして何よりも――僕は少し迷いながら、一番肝心と思える部分を三生に話す。

「ちょっと待って、三生。だってさ……瀬山くん、のことは?」

 赤緒さんと瀬山くんは、クラスでも最も目立つカップリング。誰がどう見ても似合いの二人に、割って入ろうなんてそんなこと考える人はいない筈だった。

 はっきりとは言いにくかったけど、僕が確認したかったのはそんな意味。

 それに対して、三生は表情も変えずにこんなことを言ってる。

「ああ、瀬山くんね。実は赤緒さん――いつも一人で、瀬山くんの部活が終わるのを、待ってるんだよ。待ってる場所は、日によって違うみたいだけど」

「いつも、って――何で知ってるのさ?」

「だって昨日もその前の日も。僕、その様子を見ていたもん」

「!」

 つまり、今日で三日連続、赤緒さんの後を……?

 その行動を知って。僕にはいよいよ三生が、真面ではないのだと感じていた。
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