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人生苦の方が多いぜぃ!!byヘーラクレース
第17章 ヘラクレスの最期
そしてデイアネイラと結婚したヘラクレスは、しばらくカリュドンで暮らしたが、やがてトラキスという町へ移住します。
この旅の初めに、カリュドンの東を流れるエウエノス川を渡ろうとした時のことです。
川岸にはネッソスというケンタウロスが住んでいました。
ケンタウロスは人間の上半身に四本足の馬の下半身をもった好色な怪物です。
ネッソスは、渡し貸をもらって通行人を河の向こう岸まで自分の背中に乗せて運ぶ仕事をしていました。
ヘラクレスは、デイアネイラを向こうの岸に渡らせることをネッソスに頼み、自分は一人で川を渡ることにしました。
ところが先に向こう岸に着いたネッソスは、ケンタウロスの本性を剥き出しにして、突然デイアネイラに襲いかかりました。
妻の悲鳴を聞いたヘラクレスは、川の中から矢を放って、ネッソスを射殺しました。
ネッソスは恩を仇で返された(自業自得ですが)と思い、デイアネイラに狂気を吹き込みます
「私の傷口から流れた血を、大切にとっておきなさい。そしてもしヘラクレスがあなた以上に、他の女を愛するようなことが起こったら、それを肌着に塗り付けて彼に着させるのです。これは浮気封じの薬です」
素直なデイアネイラは、ネッソスの言葉をすっかり信じて、いわれた通り、ネッソスの血を集めて大切にしまっておきました。
ところが、この血は猛毒だった。
ヘラクレスはヒュドラを退治した後、猛毒の水蛇の内臓の血に矢じりを浸して、自分の矢を猛毒にしていました。
それでヘラクレスの矢で射られ傷口から流れたネッソスの血にはこのヒュドラの猛毒が含まれていたのです!
そんな事を全くしらないデイアネイラがついに仕出かした!