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僕である理由
第8章 娼夫の心得
とうとう
ホテルに戻って来てしまった

生気を失い
今にも倒れそうな自分を必死に
奮い立たせたのは
可奈子さんへの思いだけだった

縺れそうな足を引きずり部屋についた



部屋に入ると
微かに聞こえる…深いため息…

可奈子さんがいる
体中の血液が逆流するのを感じ
どうしようもなく高ぶる気持ちを
必死で抑え
恐る恐る扉を開くと


ゆるやかに腰をふり

僕にみせつける…可奈子さんがいた

焦らすように知らない男の服を脱がし

今まさに
…今逆流した真っ赤な血が
青ざめていく…冷たいものが駆け巡った
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