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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

◆
人は人生のうちに何度、本物の衝動に駆られることがあるのだろう。
理性なんてなんの役にも立たなくて、体がいうことを聞かないような。
こんなのだめだと頭では分かっていても、それをやり遂げるまでは、心がどうにもならないような。
あたしは元来短気で、けっこう衝動的なたちだと思っていたけど、今まであたしが衝動だと思っていたものは、ぜんぜん衝動なんかじゃない。
平たく言うと、あたしは今キレている。人生でいちばんと言っても過言ではないくらい、猛烈にキレている。
そして衝動に駆られている。それも本物の。体が、どうにもいうことを聞かないくらいの。
――つまり、なにがなんでも今日こそは、遼平とセックスしてやる、という衝動に。

