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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

ぶちゅーっとキスをしたまま、あたしは遼平の体を押した。


シャイすぎる彼の初体験。前のめりついでに、最後まで主導権を握ってあげるのがあたしの役目だと思ったのだ。


が、遼平はなかなか押し倒されてくれない。


……と思ったら、


「きゃっ」


突然、視界が反転した。


ぼすん、と背中にベッドの弾力。目の前には、あたしに影を落とす遼平の体。その向こうには、見慣れた白い天井。


……あれ?


「遼平?」

「その……おれ、はじめてだから、分かんないことだらけだし、上手くもないと思うけど、が、頑張るから。もう亜衣を不安にさせないように」

「え?」

「だから、……亜衣が気持ちよくなれること、教えて?」


遼平は、やっぱり真っ赤っかな顔で、意を決したようにそう言った。


――そしてあたしが何か言う前に、ちゅ、と優しく、唇をふさいだ。



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