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はじめてをきみに
第3章 愛はやさしくない

「ほら、サボってないでちゃんとやって」

「やる、やるから、ぁ、それやめて、」

「だめ。いっかい一緒に口でイキたい。……俺より先にイかせられなかったら、もっとひどいことするから」

「……っ、ん、んふ、……ふあっ、は、あ、んあぁ!」


 俺の低い声に観念して、茉由が再び俺のを咥えた。けれど、クリトリスをいじられるたびに脱力してはそれを放し、涎を垂らして喘ぐ。


「茉由、サボらないでってば。ひどいことされたいの?」

「ちがう、ちが……、ぁああっ!」

「すごい、吸い付いてくる」


 クリトリスを吸いながら、中に指を2本、一気に入れた。ぬるぬると抜き差しを繰り返す指に絡みつく襞は、熱くて激しくて、いつも俺のを搾り取ろうとして一生懸命に収縮する、絶頂前のそれの動きだ。


「ほら、イッていいよ」


 指で届く限りの、精一杯の奥を突きながら、今日一番の甘い声でささやく。けれどその甘さは、いたわりのそれでも慈しみのそれでもなくて、いわば悪魔のそれだ。欲する獲物を堕とすための誘惑。罠。

 それを察してか、茉由はかたくなに首を横に振る。


「いや、ん、あ、あ、ヒロく……、ゆるして……!」


 最後の力を振り絞るように、茉由がかすれた声で叫んだ。

 ――でも、ごめん、茉由。


「……ゆるさない」


 茉由のぜんぶが、俺のものになるまでは。


「だ、め、っぁ、あ、あ、……あぁああっ!」


 指でずぼずぼ突きながら膨らんだ愛らしい突起に甘く噛みつくと、茉由は背中を丸めてびくびくと2、3度身体を震わせ、果てた。

 はあ、はあ、とせわしなく吐き出される吐息が俺のに当たってたまらない。腰を動かして顔に擦りつけると、茉由は条件反射のように竿の部分をちうちうと食んだ。


「……くっ」

「あ……」


 最後に亀頭を吸い上げられて、俺もとうとう白濁を放つ。びゅっびゅっと飛び、茉由の顔に少しかかった。けれど絶頂の余韻で頭がぼんやりしているのか、彼女は嫌な顔ひとつせず、むしろどくどくと残りの精液を吐き出し続けるそれをぺろぺろと舐め始める。

 その光景は何よりも卑猥で、淫乱で、俺はまた興奮せずにはいられなかった。吐精を終えたそれは萎えることなく再びかたさを取り戻し、それとともに俺の中でむくむくと元気を得たのは、あの加虐心に似た何か。



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