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真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。
俯いたままの小早川は、微かに首を縦に動かす。
それに、俺の眉が下がって行く。
きっと悲しそうな顔をしてるだろう。
どうしたら小早川が死にたいって思わなくなるんだろう。
小早川は生きたいって思ってないんだ。
どうしたら、そう思わせる事が出来るのだろうか。
生きてたらいい事がある。
きっと、周りはそう励ましただろう。
だけど、小早川にはきっと“いい事”なんて起きていない。
彼女にとっての“いい事”ってのは、周りの言ういい事と一致なんてしない。
それを理解しない大人が、きっと勝手に彼女を見限ったんだ。