この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第10章 衝動的。
一生、一緒。
きっと、それは間違ってはいない。
彼女の心の中に、ずっと住み着いているのだから。
それが消える事なんてないだろう。
「……小早川、手当ても終わったし、送る」
様々な感情を閉じ込めながら、俺はそう小早川に言った。
俯かせていた顔を上げると、小早川は驚いた顔を見せる。
どうしてそんな顔をしてるんだ?
「……」
「どうした?」
また視線を伏せると、小早川は小さく首を振った。
何でもないという風に。
「んじゃ、送るよ」
「……」
「小早川?」
俯いたまま、動かない彼女に疑問を持った俺は顔を覗き込む。
「……送るって、どこに」
本当に。
とっても小さな声だったけど、彼女はそうぼそっと呟いた。