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真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても
あ。そう言えば。
空席の子の名前。
今日、自己紹介されてない名前は……っと。
出席番号5番、小早川玲織奈。
こばやかわれおな。
名前だけ画数多くて大変そうだな。
後でこの小早川さんについても聞いてみるか。
呑気に構えながら、俺は職員室の扉を開けた。
そこには何人か先生がいて、俺を見ると笑顔で会釈をしてくれる。
それにすぐに会釈し返して、自分の机に出席簿などを置いた。
「お疲れ様でーす」
このよれよれの白衣を着た人は、えっと、品川先生だ。
見たまんまで科学を受け持っている。
その隣にいるのは宇津木先生。
宇津木先生は学年指導。
風紀に厳しそうな見た目を確かにしている。
カチっとまとめた髪の毛。
スーツもぴしっとしてて、シワ一つない。
嫌味でないほどの化粧。