この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても
頭髪検査に、持ち物検査などをしていた時、彼女のピアスが教師の目に入った。
それを教師が注意し、外す様に彼女に近付いたらしい。
だけど、そんな教師に対して彼女は
「これを取ろうとするなら、私今すぐ死ぬよ?」
と、淡々とした口調で言った。
もちろん、それを簡単にはい、そうか。と鵜呑みには出来ない。
それに、一人を許したら全員許さなきゃいけなくなる。
だから、更に一歩彼女に近付いた時だった。
彼女はポケットにしのばせていたカッターを取り出すと、何の躊躇いもなくスパッと手首を切り裂いた。
青白くなる教師。
生徒の叫び声。
彼女の手首から腕にかけて滴り落ちる赤い液体。
とにかく、その場は騒然としていたらしい。
騒ぎを聞いて駆け付けた別の教師に抱えられ、彼女は保健室へと連れてかれた。