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真実アイロニー【完結】
第2章 運命だとしても
だけど、教室を出る時に抱えられたまま彼女はぐるっと振り向き、
「このピアスを奪おうとするなら、今度はあんたを殺すよ?」
そうやって、薄らと笑みを浮かべながら顔面蒼白の教師に言ったらしい。
教頭先生から聞いた話はこんな感じ。
この話を聞き終えた後、俺と中島先生からは何も言葉が出なかった。
出せなかった、に近いかもしれない。
リスカする子はいた。
だけど、目の前で切る子はいなかった。
……だから、さっきあいつがいたらって生徒達が言ったのか。
小早川さんが何をするかわからないから、気を遣ってるんだろう。
確かに、中々難しいクラスかもしれない。
さっきの品川先生の言葉にも納得がいった。
正直、驚いたけど諦めるつもりなんてない。
小早川が登校したら、話しかけてみよう。