この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第5章 薄く色付いて行く。


小早川さんはやっぱり窓の外を見ては、空を眺めている。
今日は生憎の雨模様。

だけど、彼女には関係ないみたいだ。


相変わらずの、立ち姿。
足元には来客用の緑のスリッパ。


「小早川さん」


俺は少し早歩きで近付き、彼女に声をかけた。
小早川さんは顔だけをこちらに向けると、「早乙女先生」と呟く。


美術室で一緒の時間を過ごす内に、彼女は俺の事をちゃんと呼んでくれる様になった。
それに返事もしてくれる様にもなった。



「また空を見てたの?」

「うん。桜散っちゃったなって思って」

「そういえば、嫌いだって言ってたよね」

「ハイ、嫌いですよ」

「どうして?」

「この時期になると思い出すから」



……何を?

そう、返しそうになって俺は口を噤んだ。
だけど、小早川さんにはお見通しらしい。


俺の顔を見て、その双眸を細める。


「知りたいって顔に書いてありますよ」

「えっ」
/224ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ