 この作品は18歳未満閲覧禁止です
 この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
真実アイロニー【完結】
第6章 目が離せない。

「結城君は今日もお手伝いかい?」
「あ、早乙女先生」
宇津木先生から俺に視線を移すと、彼はニッコリと笑った。
手には宇津木先生から渡されたクラス分のプリント用紙。
「偉いねえ」
「まあ、学級委員ですし」
「結城君が推薦される理由はなんとなくわかるよ」
「ええー。結構めんどくさいんですよ。
放課後遊べなくなるし」
「あはは。まあ、遊びたい盛りだよなあ」
「そうなんです、俺には不足してるんです!愛が!」
「……愛?」
鼻を膨らませ、彼は「はい!」と言って力説し始める。
「ピースになるには、ラブが必要なんですよ!」
「なるほどねぇ」
「ほら、早乙女先生も同調しない。結城君、チャイム鳴るわよ」
思わず、唸ってしまった俺と結城君に宇津木先生が割って入った。
結城君は「失礼しまーす」と元気よく言ってから、職員室を後にした。
「結城君はいつも元気ねえ」
「本当です」
彼がいなくなった後、宇津木先生がぼそっと呟くのに俺も頷いた。
 

 作品検索
 作品検索 しおりをはさむ
 しおりをはさむ 姉妹サイトリンク 開く
 姉妹サイトリンク 開く


