この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
永遠に続く恋を……
第5章 彼女の秘密 ─ side 結城 恒
あの日 ──。
博多駅で、彼女を見つけた時は驚いた。
すぐ側には高遠さんがいて……。
彼女は高遠さんを見送ると、俯いた。
微かに震えてるように見えた。
泣いているのかと思ったら、今度は空を見上げて。
その瞳には涙は浮かんでいなかったけれど……。
横顔はとても哀しげで ──。
あの時……本当は泣きたかったんだと思う。
今もそうだ。あの日と同じ顔してる。
この人はいつも泣くことを我慢してきたのだろうか。
「俺、誰にも言いませんよ?ただ………」
「ただ………何?」
彼女の瞳が不安げに揺れる。
「藤枝さんはそれで幸せですか?」
博多駅で、彼女を見つけた時は驚いた。
すぐ側には高遠さんがいて……。
彼女は高遠さんを見送ると、俯いた。
微かに震えてるように見えた。
泣いているのかと思ったら、今度は空を見上げて。
その瞳には涙は浮かんでいなかったけれど……。
横顔はとても哀しげで ──。
あの時……本当は泣きたかったんだと思う。
今もそうだ。あの日と同じ顔してる。
この人はいつも泣くことを我慢してきたのだろうか。
「俺、誰にも言いませんよ?ただ………」
「ただ………何?」
彼女の瞳が不安げに揺れる。
「藤枝さんはそれで幸せですか?」