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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕
「祐樹……祐ちゃん……ごめんね」
祐樹にこうして触れるのは久し振りだった。
サラサラな髪の感触と柔らかい頬は小さな頃から変わっていない。
髪に鼻先を埋めると、祐樹はくすぐったそうに笑った。
「ママ、どうしたの?
謝る事、なんかあったっけ?」
「うん……ごめんね」
「ええ――何の事なの――ま、いいか!」
祐樹はコロコロ笑いながら私を抱き締め返した。
ふと時計を見ると、七時半を過ぎている。
「……祐ちゃん、御飯どうしようか」
「なんか頼めば?」
「そうねえ……ピザ屋さんにしちゃおうか」
「やった!!」
祐樹は目を輝かせ万歳する。
私はその様子を見て笑いながら注文をしようとスマホを取るが、森本からのメールが来ていて背中が凍り付いた。