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愛しては、ならない
第40章 更に抉られる、傷痕
あれから三日。
剛からはなんの連絡もないままだ。
花野からは毎日メールが来ているが、『元気にしているから安心しなさい』
くらいしか書かれていない。
彼が今どんな思いでいるのか気になるし、それに謝りたい、とも思ったが、それも違うような気がした。
謝ってどうなるというのか。もっと彼を傷付けてしまうのかも知れないのに。
「あああ、ママ、また泣くの――?」
ここ最近起こった出来事を思い返すと、自分の浅はかさや迂闊さ、弱さに嫌になるばかりだ。
祐樹がテイッシュを持って目の前でニコニコ笑っているのを見て、私は不思議に思った。
一枚取り、涙を拭いて頬杖をつく祐樹に聞く。
「ね、祐ちゃん、楽しそうだね」
「うん。剛とパパには悪いけど、ママを俺が一人占め出来てるから嬉しいんだ――」
「……祐ちゃん」
目の奥がジワリと熱くなり、私は祐樹を抱き締めた。