この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第42章 最初で最後の……
彼は栗色の髪を長い指でクシャクシャに乱し、益々頬を染めて私を見て、顔を逸らす。
「……だからっ……要するに、菊野さんを抱くのは諦めてあげるから、その代わりに濃厚なキスをしたいって事ですよ!」
「のっ濃厚って」
「やらせてくれないなら、キス以上の事をやっちゃいますけど、いいですか?」
彼は振り向き私の肩を強引に抱くと、早足で歩きだす。
「ちょ……それはダメ!!ダメ!!」
「――なら、濃厚キスコースでいいですね」
「ま、待って」
「待ちません。言わせてもらいますけど、僕がここまで譲歩する事なんてレアですよ。
菊野さんは大人しく言うことを聞いて下さい」
「む……無茶苦茶……っ」
私は引きずられるように、人気のない芝生まで連れていかれた。
彼は羽織っていたGジャンを脱ぐと、下に敷いて私に
「ここに横になって」
と指示する。
「な……なんで」
「ここでキスするから」
「や……っ」
首を振る私に焦れたのか、彼が肩を掴み私を座らせ、私の目を鋭く見据えながらゆっくりと倒していく。