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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
「は、はいっ!いただき……あっち!」
カップに口を付けて一気に飲もうとして、その熱さに私は悲鳴を上げる。
剛は目を丸くした。
「うう……舌……火傷しちゃった……」
涙目の私を見て、剛は我慢できない、という風に笑い始めた。
クスクス笑いは次第にお腹を抱えて身体を折り曲げてしまう程の盛大な爆笑に発展し、私はまたガーンと凹むが、初めて見た、彼の感情が解放されたかの様な笑顔に見とれ、いつしか涙を流していた。
剛はひとしきり笑い、私の涙に気付くと真顔になる。
「菊野さん……?
どう……されましたか」
「――えっ!?」
頬に触れ、初めて自分が泣いている事に気付き私は慌てた。