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愛しては、ならない
第45章 小さな逃避行
「さあ、行くよ!しっかり掴まって!」
祐樹達の目に留まらぬ様に身を隠しながら、俺と夕夏は自転車置き場までなんとか辿り着き、彼女はママチャリに跨がり、俺に後ろに乗るように言った。
「いや……岬さん……その……」
「なあに?」
ワンピースの裾が太股まで捲れて居るので目のやり場がなく、俺はモゴモゴと口の中で呟く。
「いつも、そんな格好で自転車に……?」
彼女はキョトンとするが、すぐに笑いだした。
「大丈夫!私の足なんか誰も興味ないし、それこそ誰得っ?て感じでしょ?
ほら、早く行かないと見つかるよ」
「いや……誰得とかそう言う問題じゃなくて……」
俺は、サバサバした彼女に戸惑っていた。
学校で見た感じでは、派手なユカタンの側で控えめにしている印象だったので、夕夏の気さくさに驚いてしまう。