この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第45章 小さな逃避行
「……っ!」
彼女は俺の首にしがみついたままで体重をかけ、被さってきた。
倒された俺は、丁度頭が剥き出しのフローリングに当たってしまい思わず「痛てっ」と声をあげる。
夕夏は申し訳なさそうに顔を歪めると、掌で俺の頭を撫でた。
「ごめんね……西本君を押し倒す事しか頭に無くて……つい」
「押し倒……って……」
「いいでしょ、減るものでもないわよ!少なくとも私は得だから!」
「いや……岬さん、まずいよ」
「まずいって、何が……?」
「――くっ」
彼女は猫の様に肢体をくねらせると、頭を撫でていた手を俺の下腹部に滑らせた。
猛って膨張したそれを握り、ゆっくりと動かしながら夕夏はチャーミングな声で囁く。
「こんなになってるのに、まずいの?」
「……み……さきっ」
「私の身体を見てこうなってるんでしょう?」
「……く……お、怒る……ぞ」
精一杯、彼女を睨み付けてみたが、逆に彼女は頬を染めて溜め息を吐いた。
「西本君のそういう顔……可愛い」