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愛しては、ならない
第45章 小さな逃避行
「寒いの?」
「いや……大丈夫」
「ならいいけど……っクシュン!」
「そっちの方が寒いんじゃないか――」
俺は笑いながら、絡み付く腕を掴み向き直るが、彼女がバスタオル一枚を身体に巻き付けただけでいるのに息を呑んだ。
夕夏の濡れた髪は肩先でくるりと跳ね、綺麗な鎖骨の下には黒子があった。
かろうじて胸元で留まっているピンクのタオルは、少しでも身動きをしたら落ちてしまいそうだった。
彼女の首筋から胸、腰から太股までの曲線を俺は目でなぞってしまい、強烈な欲に打ち負かされてしまう寸前だった。
目を逸らそうとするが、彼女は俺の頭を掴み、強引に真っ直ぐに向かせる。
その瞬間(とき)タオルの結び目がほどけ、彼女の全てが俺の目の前に晒された。