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愛しては、ならない
第46章 小さな逃避行②
「――――!!」
夕夏の咥内で瞬間爆ぜそうになり、歯を食い縛り堪えたが、彼女は喉の奥を突いてしまったようで、直ぐに俺を引き抜き、掌を口に当てて苦しそうに咳き込んだ。
「……ゲホッ……ゲッ……コホッ」
「大丈夫か……」
枕に突っ伏して身体全体で咳をする夕夏の背中を擦るが、彼女は申し訳なさそうに顔を歪めて俺を見た。
「ご……ごめんね……
加減が……わからなくて……
もうすぐ……治まる……から……そしたら……上手くやって……みるから……っ」
「夕夏――」
苦しそうにしながらも俺を喜ばせようと必死な彼女が健気に見えて、胸が詰まった。
だが同時に菊野が俺を手で導いた夜の事や、その口で俺を呑み込んだ事が鮮やかに蘇り、苦い想いも込み上げる。