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愛しては、ならない
第46章 小さな逃避行②
「剛君……剛……つよしっ……」
俺にしがみついて涙混じりの声で名前を呼ばれ、俺の胸にむず痒くて焼けるような想いが燃え上がろうとしていた。
「夕夏――っ……」
「ああっん……!」
彼女の奥まで突いた瞬間に、俺の獣は一気に白い欲望を吐き出した。
達した快感に震えながら、俺は夕夏に口付け、夢中で呟いていた。
「夕夏……っ……好きだ……夕夏……っ」
「私も、剛が好き……」
額に汗を滲ませ、嬉しそうに笑う彼女に、菊野の笑顔が重なる。
俺はその面影を消し去る様に、夕夏を折れる程の力で抱き締めた。
彼女は小さな声で「痛い」と言ったが、彼女の方も俺に強く絡み付いて離れようとしなかった。
俺達は、その後眠る間も無くお互いを貪り合った。
消音にした俺のスマホが着信で光っている事など、知るよしも無かった。