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愛しては、ならない
第47章 埋まらない溝
「……っ」
声にならない叫びをあげるかの様に、彼は仰け反り口を大きく開け、そしてまた歯を食い縛る。
その耐える姿は優美ささえ醸し出し、彼女の身体を熱くさせた。
「私をこんなにしたのは、彰じゃない……」
「う……っ……晴香……っ……
すまな……い」
「謝るとか、何なの?」
彼女は、鋭く叫び、彼のシャツを左右に開き、胸板をはだけさせる。
呼吸を荒くし、欲と闘う彼を見て楽しそうに喉を鳴らし鼻で笑った。
「あんたも、今までこういう事を、散々やって来たんでしょ」
「――っ」
彼の瞳が大きく揺れた。
菊野に襲いかかった時の光景が瞼の裏に甦ると、自分に対する嫌悪と同時に、あの時の興奮までが思い出されてしまう。
菊野の吸い付くような肌、この手の中で揉まれて形を変える美しい乳房――
映像が止めどなく彼の中で再生されて、体温は上がり、清崎の手の中にある獣はこれ以上ない程に硬くなっていった。