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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と

悟志さんの事は好きだ。
優しくて、結婚してからずっと大切にしてくれて――
祐樹の事をとても可愛がってくれる優しいパパで……
父と母とも仲良くしてくれているから、私も遠慮なく実家へ泊まりにも行ける。
私の友達の真歩にも優しくて……
私の友達付き合いにも口出ししないし……自由にさせてくれて感謝してる……
剛さんの事も、養子に迎える事を許してくれて……
本当に……本当に感謝しかなくて……
だから……私は、そんな悟志さんを、愛さなくては……
そう思うのに……
「菊野……菊野っ……!」
「ああ……ああああ!」
「言ってくれ……僕を愛してると……言ってくれ……!」
「あ……ああ……私は……っ」
私の中で、一層悟志の猛りが大きく熱く膨張した時、目の前が完全に白く染まる。
瞼を閉じても、その眩い光は消えなかった。

