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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と
「……ふ……うっ」
悟志は、苦し気に息を吐き出しながら、私をゆっくりとベッドへ降ろした。
不自然な態勢で抱かれて、足がガクガクと震え、蕾はまだ痙攣していた。
甘い欲のさざ波が引いていくと同時に、私の喉元にせり上がる言葉があった。
もう、胸の中に押し止めて置くのは無理だと思った。
「……流石に、無茶をしたかな……年甲斐もなく……
でも……堪らなく、君を身体中で愛したくなったんだ……」
彼が、先程までの烈しさが嘘の様な柔らかい抱擁で私を包む。
心地好くて、甘えたくなってしまう。
大好きな、その胸に――
でも違う。
悟志への好きは、男女間の好きとは違う。感謝しているから、愛さなくてはならない、等と考える事は違う。
そんな風に義理の様に発生する愛など、本物だろうか?