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愛しては、ならない
第48章 喪われた記憶と
私は夢中で、ナースコールを掴んだ。
「すいません……誰か……誰かきてくださ……」
「うわあああ!!」
「きゃあっ……」
悟志は私の手からコードをひったくり、力任せに引きちぎってしまった。
そして、コードを掴むと自分の首に巻き付けようとする。
「何を……止めて……悟志さん……っ」
「君に……愛されないなら……っ……もう……いいんだ」
「ダメ……ダメよ――!!」
「どうして……どうしたらいいんだ……菊野……菊野っ」
悟志は、首に巻き付けたコードを両の手で思いきり引いた。