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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別
真歩は、腕を振り回しながら尚も怒鳴り付ける。
「……あんたはまだいいわよっ……まだ高校生だものっ……まだいくらでもやり直し出来るわよっ!!
今の内からきちーんとお手入れしとかないと……お肌の曲がり角はすぐそこよ――っ!!」
「な……なんなのよ……っ」
清崎は、森本に押さえ付けられながらもがき、真歩に怒鳴り返す。
「あんたこそ何なの――!そんな若い命を散らそうとする理由はなんなのよ――!
まさか……失恋とか……そういうつまんなくて下らん理由じゃあないわよね――っ?」
「……く……下らないですってえ?」
「あっはは――!ビンゴ――!?」
「も……もうっ……あんたに何が分かるって言うのよ――っ」
「分かんないわよ――!!そんなことで社会に迷惑かけようとするおバカさんのことなんかっ」
「バカバカ言わないでよね――っ!オバサン――!!」
「また言ったわね――っ!!
そこに居なさいっ……説教してやるからっ……ぐうの音も出ないくらいにコテンパンに言い負かしてやるわよ――っ」
真歩は、線路を横断しようと足を踏み出すが、目映いライトで視界がまっ白になり、目が眩む。
「危ない――っ」
誰かの絶叫が聞こえた瞬間、目の前に電車が迫っていた――