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愛しては、ならない
第49章 それぞれの決別


後ろで停車している車からクラクションが鳴らされるが、真歩は頭を下げながら叫ぶ。



「――すいません、緊急事態なんです!!」



真歩は踏み切りのバーまで走り、向こうの二人を見るが、清崎が踏み切りの中へと行こうとするのを森本が必死に止めている。

清崎は泣きわめき、もはや何を言っているのか分からない。



「――晴香っ……やめるんだ!」

「そうよ――!おバカな事はやめなさい――っ」



真歩は、有らん限りの声を振り絞り、叫びながらバーをくぐり抜け、清崎を睨み付ける。

彼らは真歩を見て一瞬呆気に取られるが、清崎があかんべをして叫んだ。



「オバサンには関係ないわよ――っ!私の事は放っておいて――!!」

「おばっ……」



カチーンと来た真歩は、清崎をビシッと指差して大人気なく怒鳴り付けた。



「言ってはならない事をよくも言ってくれたわねえええっ!
オバサンって言われる程歳くってないわよ――っだ!一応まだ二十代よっ!……来週誕生日来ちゃうけどさあ……
それまでは二十代よ!」

「な……何よこのオバサン……」



鼻白む清崎の呟きが、真歩の怒りに火を注いだ。



「ま――た言ったわねええ!……あんたもね……絶対に歳は取るんだからねっ……
いつまでもピチピチ若いままだと思ってるなら大間違いよ――っ」




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