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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②


『私のせい……私のせいだわ』



菊野のその言葉にギクリとして、真歩はつい黙ってしまう。

先程、清崎達から聞いてしまった話から思い当たる事があるからだ。

でも、悟志は剛の事に関しての全てを忘れてしまっているのに、どうしてそうなるのだろうか。

腑に落ちないと思いながら、真歩はその先を自分から訊ねられないでいた。

菊野の口から、剛との関係を聞かされてしまうのだろうか。

出来れば聞きたくない。いや、聞くのが怖い、と言った方が正しい。

彼女から聞かされなければ、自分は知らないで通る。知ってしまったら、彼女に何を言えば良いのか。

自分はどんな態度を彼女に取れば良いのか。

菊野の口からその事実を聞いたら、今までと同じ様に彼女に接して行けるのか自信がなかった。

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