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愛しては、ならない
第50章 それぞれの決別②



「しっかりするのよ……あんたには祐樹だってついてるじゃない……花野さんや貴文パパだって……
でもね、結局は、決めるのはあんた自身なの。他の人には何も出来ないのよ」

『う……うん……うんっ……真歩……ごめん、ごめんなさいっ』

「んも――っ!謝るな言ったのに――!バッカじゃないの――?」

『う……ご……ごめん』

「ほらまた――っ」



真歩は、思わず笑ってしまうが、とうとうスマホを持つ左手の甲に涙が落ちる。

菊野も吊られて吹き出して、何秒間か二人は笑っていたが、束の間の温かい時を終わらせたのは菊野の方からだった。



『じゃあ……真歩……色々ありがとう……またね……』

「――菊野」



真歩が何かを言おうとした瞬間、電話は切れていた。




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