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愛しては、ならない
第51章 ナイトメアの後で
『剛さん……剛さん』
耳を羽毛で擽るような優しい声がする。
俺は、家のリビングでピアノを弾いていたのだが、その声に気付き指を止めて振り返ろうとする。
だがその前に、柔らかい感触の物が目を塞ぐ。
甘い香りに俺は頬を緩めながらその柔らかい手を握った。
『菊野だね……?驚かそうとしても無駄だよ?』
『うふふ……ばれた?』
菊野は、何も身につけて居なかった。
その身体の美しい曲線を隠すものは背中までの艶やかな髪しかない。
髪は彼女の乳房の突起を辛うじて覆っているが、綺麗な大きい丸みは隠しようがなく、俺は遠慮無しに彼女の身体を頭の先から爪先まで眺める。
彼女は頬を染めると腕で身体を抱き締めて、後ろを向いてしまった。
『もうっ……見ないで』
『だったら何故……そんな格好で来るんですか?』
俺が肩に触れてこちらを向かせると、彼女は魅惑的に笑い、誘う様に掌で頬に触れて、首を傾げた。
『ふふ……何故かしら……』
『……菊野……っ』
俺は、彼女を抱き締め、そのまま組み敷いた。