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愛しては、ならない
第51章 ナイトメアの後で
「……く……」
身体の中心が、夢の中と同じように熱を持ち、屹立していた。
痛いほどに硬くなっているそれを、忌々しい思いで手で握ると、全身が震える。
眠る暇も与えないほどに夕夏を求め、欲を放ったと言うのに、夢の中の菊野の身体を思い出すだけでまた猛る、獣の様な自分を殺したくなった。
菊野の事を諦めるのだ、と決めたはずだった。
夕夏と身体をまさぐり合いながら、俺は菊野の事を彼女に話した。
彼女は俺を蔑みも、同情もしなかった。
俺の話を黙って聞いて、こう呟いた。
『辛い恋を忘れるのにはね、新しい恋よ』
そう言うと、彼女は真っ赤になって俺の頬を軽くつねった。
『うわ……なんか……自分で言っておいて恥ずかしいわ……ほら、よく言うじゃない!そうやってさ――!
で、その……その新しい恋って言っても別にっ……私と恋しましょうだとか……言わないからっ……
て……やだ――っ!もっと恥ずかしい――キャアア』
『ちょ……ちょっと夕夏……っストップ』
夕夏の頬をつねる力がどんどん強くなって、俺は彼女の手を掴んだ。