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愛しては、ならない
第51章 ナイトメアの後で
菊野にもよく泣かれたが、やはり女の子に泣かれると狼狽えてしまう。
彼女は瞼をギュウと瞑り、頭を振って涙を引っ込めようとしているらしいが、止まるどころかもっと溢れだす。
『わ……分かってるし……私、清崎晴香ちゃんみたいな優等生でも美少女でもないし……
剛君のお母様みたいに可愛くもない……
だ……だから、剛君を慰められるなんて思ってないし、こ……恋人になれるなんて……思ってないから……っ』
切々と舌足らずに言う彼女が堪らなくいとおしく思えて、抱き潰す程に力を込め、彼女を腕で包む。
『剛君……さ……さっき、してる時に――』
そこまで言い掛けて、真っ赤になり絶句する彼女の言葉を俺が続けた。
『――セックスしてる時に?』
『……!』