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愛しては、ならない
第51章 ナイトメアの後で


深く深く息を吸い込み、何か別の事で気を紛らせようと思うが結局は家や菊野の事が浮かんできてしまい、朝方に見た夢の事を考えてしまう。

そういえば、学校を休んでしまってどのくらい経つのだろうか。

俺はあの学校で模範的な生徒になって優秀な成績で卒業してみせる、と自らに誓ったのだ。

だがそれは自分の為にというより、菊野の為だった。

菊野が、家から近くで優秀な生徒の多い進学校を――と望み、俺はあの学校を選んだのだ。

だが、菊野はもう俺に何も期待などしていないのではないだろうか?

少なくとも、彼女は俺に愛されることをもう望んでいない。

あまりにも突然に訪れた、終わり。

ついこの間まで、お互い熱烈に求めあっていた筈なのに、何故こんなに早く、突然に褪めてしまうのだろうか。

恋とは、愛とはそういう物なのか?

花火の様に一瞬美しく咲いて、散ってしまう物なのだろうか。




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