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愛しては、ならない
第52章 最後に、もう一度だけ
途方に暮れて真歩に電話してしまったが、突き放されてしまった。
無理もない事だった。
真歩は、ずっと自分の思いを押し隠して、それでも私の、私達家族の側に居てくれていた。
長い年月、どんな思いを抱えて友達でいてくれたのか。
私は真歩に甘えきっていた。
何処かで、真歩なら許してくれる、受け止めてくれる、と思っていたのだろうか。
それは私の勝手なエゴでしかないのに。
真歩も苦しんでいたんだ、という事が電話の彼女の震える声から伝わってきて、私は自分から彼女の手を離す事しか出来なかった。
ごめん、ごめんね、真歩。
今までごめんなさい。
もう、貴女に頼らないから、自分で決めるから……だから、もう苦しまないで。