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愛しては、ならない
第53章 最後に、もう一度だけ②
夕夏を乗せてここまで自転車で来て、彼女にキスをして「じゃあ……また学校で」
と言うと、彼女は頬を赤らめて舌を出した。
昨夜から朝にかけて身体を合わせながら色んな話をしたが、学校を変わるかもしれない、という事を俺が言うと、彼女は少し顔を曇らせた。
「……いきなり……遠距離みたいな?」
「ごめん」
思わず謝る俺に彼女は笑って頭を撫でてきた。
「う――ん、彼氏が同じ学校に居るって楽しいだろうなあ、て思ったけど……まあ……剛君の事情もあるから仕方ないね……
ていうか……一人で暮らすの?」
「ああ……そうなるな」
「おうちの事とか、ご飯とかどうするの」
「まあ、一通り出来るから何とかなるだろ」
「え――、つまんない。私が早速彼女面して世話焼きに行こうかと思ってたのに」
「……是非とも、来てくれよ、待ってるから」
口を尖らせる夕夏の鼻をつまみ、耳元に囁くと、彼女は真っ赤になった。