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愛しては、ならない
第53章 最後に、もう一度だけ②



打ち付ける度に締め付ける蕾は、以前と同じ――彼女が俺に愛の言葉を囁いてくれていた頃――

その頃と同じ様に思えた。

身体は同じ様に感じているのに、心は全く変わってしまったと言うのか?

きっと、他の男に触れられている時にもこんな風に淫らに変わるであろう彼女に、果てしない程の嫉妬が沸いてくる。

――俺との夜を、他の男とのセックスで忘れたと言うのか?

忘れさせる物か。今、有らん限りの俺の持っているすべてを尽くして、貴女の身体の隅々まで凌辱してやる。

もう、俺無しではいられない、と彼女の方が降参するまで――



俺の、どこまでも都合の好い思考は、彼女が自ら腰を動かした瞬間に途切れた。

責めるだけの快感だったのが、彼女の予期しない動きで増幅していく。



「く……っ……菊野……っほら……やっぱり貴女は……俺を拒んではいない……っ」

「違……違うの……勝手に身体が……っ」

「どこまでも……頑固ですね」

「んんっ!」



俺は身を屈めて乳房の突起にキスしながら突き上げる。




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