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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
悟志は、私の瞳に宿る情欲をみたのだろうか。ニコリと笑って、私の肩を抱き額と額を軽くぶつける。
「……式が始まるまで……あとどれくらいかな?」
「あと……一時間かしら……」
「じゃあ……その間……何処かで……」
「……っ」
悟志の言わんとする事が何か分かってしまった私は真っ赤になって彼を睨んだが、その時、後ろから聞こえてきた懐かしい声に身体中が総毛立つ。
「――あ――あ――……こんな所で熱々ねえあんた達ってば!下手したら私と彼よりもラブラブだったりして~?」
悟志も、その声に目を見開いて口をポカンと開けている。
私は振り向いて、震える声で彼女を呼んだ。
「ま……真歩……っ」