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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
真歩は、お姫様のように結い上げた髪にフルメイクだったが、美容院で被るような大きな布を首からすっぽりと被り、ジーンズを履いていた。
私は目の前に彼女がいる事が信じられず、思わず自分の頬をつねり痛さに叫ぶが、悟志が慌てて頬を擦りにきた。
「何をしてるんだい……大丈夫?」
「うふふ……痛い……でも、本当に本当に、真歩だ――……真歩がいるう……悟志さん、真歩だよ~」
「うんうん、そうだねえ……いやあ、僕はてっきり、純白のドレスとブーケの別人みたいに綺麗になった真歩さんが何処からか現れるって思ってたから、てるてる坊主の不思議な格好でビックリしたけど……
うん、てるてる坊主も可愛いかもねえ~いや~真歩さんには、今も昔も笑わせて貰ってるね~」
「うん……うん……真歩は……真歩は……いつも私を笑わせて元気付けてくれて……
四年経っても全然変わってないね……」
「うんうん、良かったね」
結構な力でつねってしまってジンジンする頬の痛みと、込み上げる再会の感動に泣きながら、私は悟志に頭を撫でられていたが、後ろから真歩にお尻を叩かれる。
「んも――っ……
てるてる坊主で悪かったわね――!」