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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
「ああ……てるてる坊主良く似合ってるよ真歩さん!」
「うん……なんだかハロウィーンみたいでいいね……良いよ真歩――っ」
「だ――っこのボケ夫婦っ!こんな格好が花嫁姿の完成形であるわけがないでしょうが!
今はまだ、支度中なのよっ!!」
真歩は被っているマントのような布から腕を出して振り回した。
私は悟志と顔を見合わせて、いつの間にか溢れた涙を指で拭いながら真歩を上から下まで見た。
「そうだよね、もっとキラキラでフリフリのてるてる坊主になるんだよねっ?
私、今日はデジカメで真歩の晴れ姿、撮りまくるからねっ」
真歩は、肩をがっくりと落として深い溜め息を吐いた。
「……だから……違うってば……」