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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
「あああ~っ!と、取っちゃった……どどどどうしようっ」
ブーケを手に狼狽える私に、参列客から拍手がおくられる。
悟志は大喜びで手を叩き、「良かったね~菊野っ」と大騒ぎしているが、私はいたたまれない。
真歩はお腹を抱えて爆笑している。
「いいよいいよ、持っていきな菊野――!あんたはもう一回結婚式挙げちゃえ――!」
周りでどっと笑いが起こり、私は恥ずかしさで俯いてしまうが、悟志が手を取り顔を覗き込んで来た。
顔をあげると、彼の掌が頬に添えられて、優しく笑いかけられる。
「――菊野」
呼ばれた次の瞬間、悟志の唇が重なってきた。