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愛しては、ならない
第55章 ウエデイングブーケ
「きゃ――っ真歩ちゃん、私照れちゃうよ~ん」
女性の甲高い叫びと同時に野太い野次も飛ぶ。
「キース!キース!」
「デイープ!デイープ!」
「キース!キース!」
いつの間にか、手拍子が起こり二人は取り囲まれていた。
二人は顔を見合わせて照れながら小鳥が啄むようなキスをしてはヤンヤヤンヤと歓声を浴びている。
そんな中、私は悟志に手を握り締められていた。
「君との結婚式……思い出すな……」
「う……うん」
「あの時の君は凄く可愛くて……」
悟志はそう言うと私を見て、ニッコリ笑う。
「いや……今も可愛いよ」
「――っ……」
照れてしまい顔を見れずにそっぽを向くと、彼の指が私の左の薬指のリングに触れてきた。