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愛しては、ならない
第56章 二十歳の同窓会
けたたましい目覚ましのベルが頭上で鳴っている。
手を伸ばして時計のアラームを止めるが、時間がまだ朝の七時なのを見て、欠伸ひとつをして再び瞼を閉じてしまう。
眠りの誘惑に負けそうになるが、無理矢理身体を起こし、ベッドから出て顔を洗った。
昨夜のバイトの疲れがまだ抜けていないのか、頭が少し重いような気がする。
「まあ……時間を有効に使ってるってことさ……家でダラダラするより、金でも稼いでいた方がよっぽどいい……」
学校とバイトと家事の毎日に時に疲れる事もあるが、ひとりでやっていくと決めたのは自分だ。
今更戻れる訳もないし、戻ろうとも思わない。
タオルで顔を拭きながらリビングへ行き、冷蔵庫を開けるが、壁のカレンダーを見て思わず溜め息を吐いた。
今日は八月三十一日、俺の二十歳の誕生日だ。